JA長野厚生連は、7月10日、11日の両日、佐久総合病院農村保健教育ホールにて「第65回農村医学夏季大学講座」を開催しました。今回のテーマは「これからの持続可能な地域づくり ~医療と農業の視点から~」とし、現地受講者285名、Web受講者125名の計410名が参加しました。
開校式に続き、第34回若月賞授賞式が執り行われ、国立がんセンター名誉総長・公益財団法人日本対がん協会会長の垣添忠生氏、学校法人アジア学院常務理事の荒川朋子氏が受賞されました。垣添氏は「がんと向き合う」と題し、ご自身の経験からがんに対する偏見をなくすことの重要性を訴えられました。
続いて、藤原辰史氏が「医食同源の再定義 ——「身体」と「地域」をつなぐもの」と題して講演。水俣病やベトナム戦争、ガザ地区の事例を挙げ、食が公害や戦争の手段として利用され、人々の健康を蝕んできた歴史を指摘。農薬と毒ガス、トラクターと戦車、化学肥料と火薬が同じ技術基盤から生まれているという事実を示し、現代の食システムが戦争技術の延長線上にある経緯に向き合い、効率や支配を優先する国家の力が、地域の生態系と人々の健康を壊してきた歴史を忘れてはならないと強調されました。
1日目の最後には、佐久総合病院職員らによる「にっこり一座」が寸劇『福島とともに―3.11より15年―』を上演。震災からの地域の歩みを通して、人と人とのつながりや地域とともに生きることの意味を深く考えさせる舞台となりました。
2日目は、埼玉大学学術院教授の宮﨑雅人氏が「地域衰退と持続可能な地域」について講演。その後、荒川氏が受賞記念講演を行い、開発途上国からの研修生が共同生活の中で農業を学び、「土からの平和」というアジア学院の理念に結びついていく過程を紹介しました。
最後に、宮崎氏、荒川氏、鶴岡市立農業経営者育成学校「SEADS」校長の百瀬清昭氏、佐久総合病院小海分院長の由井和也氏によるシンポジウムが開催されました。「地域を前に進めるのは、そこに暮らす一人ひとりが主体となること」や「アイデンティティや帰属意識の強さが、地域への愛着や幸せにつながる」といった活発な意見が交わされ、医療と農業がともに地域を支える柱であることを再確認する貴重な機会となりました。
各分野の第一線で活躍する講師陣による講演とシンポジウムを通じ、農村医学の原点や社会的処方に触れることができる、大変有意義な講座となりました。







