厚生連通信

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<今月の健康>「一酸化炭素中毒」 [健康バンザイ]

2018年10月22日

一酸化炭素は、無色・無臭・無味・非刺激性の有毒ガスで大気中の濃度は0.001%と少ないです。主に火災・自動車や工場からの排気・練炭や暖房器具や調理器具などから発生します。発生した一酸化炭素は肺から血液中へ取り込まれます。血液中のヘモグロビンは酸素と結合することで全身へ運搬してくれることで私たちのカラダは代謝されます。しかし一酸化炭素は酸素と比べてヘモグロビンと10倍速く結合し、約2500倍離れにくいのが特徴です。そのため取り込まれた一酸化炭素は全身へ運搬され、さまざまな障害、いわゆる一酸化炭素中毒を発症します。

症状は一酸化炭素を吸った量・時間、つまり血液中にどれほどの一酸化炭素がヘモグロビンと結合するかによって異なります。多くは頭痛や息切れ、吐き気や嘔吐、眠気や顔面紅潮(こうちょう)などがみられますが、重症となると痙攣(けいれん)や意識障害、心筋障害や中枢神経障害、心肺停止を来し得ます。そこで私たちが診断のために一番重要としていることは一酸化炭素を吸う環境にいたかどうかであり、そのような環境にいれば軽いと思われる症状でも一酸化炭素中毒の可能性があると考えられるでしょう。血液検査で血液中に一酸化炭素がヘモグロビンと結合している割合がわかり、その割合でどのような症状をきたすか個人差がありますが、一酸化炭素中毒の診断を補助します。

治療は高濃度の酸素を吸うことや高気圧酸素療法(酸素カプセルの様なもの)での治療が主です。遅れて性格変化や記憶力の低下などの症状がごく稀に後遺症となることもあります。一酸化炭素中毒かもしれないと思えば近隣の医療機関を受診ください。

これから寒くなるなかで豆炭コタツ使用による一酸化炭素中毒発症も多いです。暖をとる際に豆炭コタツの使用は極力控えるようにしましょう。

JA長野厚生連佐久総合病院佐久医療センター
救命救急センター 医師 宮村 保吉(みやむら やすよし)

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