厚生連通信

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<今月の健康>「肩関節脱臼について」 [健康バンザイ]

2018年06月26日

肩が脱臼(だっきゅう)してすごく痛かった。整体や整形外科に行ってハメてもらったら痛みがなくなった。クセになってしまいすぐに外れるから手術したなどの話を聞くと思います。肩は動かせる範囲が広い分、不安定な関節のため、脱臼(腕の骨が受け皿の肩甲骨(けんこうこつ)から外れてしまって戻らなくなること)を起こすことがあります。前方に外れることが多く、腕を引っ張って戻すことが多いです。

外れている様子は同じですが、年齢や性別、強い力の有無によって肩の中で起きていることが異なり、異なった治療が必要になります。

強い力が加わった脱臼だと、ラグビーでタックルをしたら外れてしまった。野球でヘッドスライディングをしたら外れてしまったなど、若者で強い力が加わり起こる脱臼です。肩関節には関節包(かんせつほう)、関節唇(かんせつしん)複合体という肩を動かす空間を作っている構造がありますが、それが骨から剥がれてしまい起こります。若い人ほど再発しやすく30-80%の患者で繰り返すことがあります(反復性肩関節脱臼(はんぷくせいかたかんせつだっきゅう))。再発を防ぐためには初めての脱臼の際にしばらく固定しておくことが大事です。何度も繰り返し脱臼し、日常生活に支障がある場合は構造的に壊れているので手術が必要になります。

また、若い女性に多く、肩が柔らかすぎて緩い場合に起こります。生まれつき肩の受け皿の形が悪い、筋力が弱い、関節周囲の組織に弾力性があるなどが原因で、腕を体に引き付ける力が弱いために脱臼します(動揺性肩関節症(どうようせいかたかんせつしょう))。肩が構造的に壊れていないため、体の成長によって骨格がしっかりしたり、リハビリにて腕を体に引き寄せる力を強くする体操やスムーズに腕を上げる訓練を行うと、ほとんどの症例が良くなります。

高齢者で強い力が加わった脱臼は、肩に強い力が加わり脱臼する場合は腱板断裂(けんばんだんれつ)が起きていることが多いです。腱板には腕を体に引き付けて腕を安定化する作用があります。腱板断裂では腕が不安定になってしまうため、外れてしまいます。しばらく固定しても不安定な場合は、腱板を修復する手術が必要になります。

JA長野厚生連北アルプス医療センターあづみ病院
整形外科医長 肩関節治療センター 松葉 友幸(まつば ともゆき)

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