厚生連通信

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〈今月の健康〉「健康で長生きするための歯の管理」 [健康バンザイ]

2017年11月28日

歯や口は食物の咀嚼・消化だけでなく、免疫物質を含んだ唾液を分泌したり、表情と笑いをつくって人と交流しストレスを発散する働きもあります。一方、歯周病や悪い噛み合わせが全身の病気とも深く関わっていることが知られています。

歯周病では歯肉から血中に入った歯周病菌や毒素が糖尿病を悪化させるほか、動脈硬化・狭心症・心筋梗塞・脳梗塞を引き起こし、寿命にも影響するといわれます。

噛み合わせは体のバランスに影響し、噛み合わせが悪いと肩こり、腰痛、頭痛、顔の歪み、顎の関節の病気、姿勢異常を起こすことがわかっており、体の歪みは神経・内臓疾患にも関係します。歯の無い人でも義歯を入れると体の平衡機能が向上して歩行が安定し、歩幅・速度が増して転倒予防になります。

歯が少なくても入れ歯で良く噛める人は内科の病気などで1ヶ月にかかる医療費が2万円ほどなのに対して、歯が少なく入れ歯も無い人では10万円近くもかかっており、それだけ全身の病気が多く重いという調査結果もあります。

歯周病や虫歯などで歯が失われると、噛む刺激が脳へ伝わりません。良い噛み合わせでよく噛んで食べる人ほど脳への血流が増し、大脳皮質の運動野が強く活性化しています。歯が少ない人ほど脳の記憶を司る海馬(かいば)という場所の容積が減少しており、アルツハイマー型認知症になりやすいといわれています。動物実験では、人工的に噛み合わせを悪くするとこの認知症の原因物質といわれるアミロイドβが海馬で増加し、噛み合わせを治すと減少することが確かめられ、歯の本数ではなく噛み合わせの状態が影響するらしいことが示されました。歯が無くなってもそのまま放置しないで入れ歯で噛み合わせを回復させると、認知症の発症リスクを下げることができるのです。

歯と口の健康は全身の健康に深く関わっています。健康で長生きするためには、歯医者さんで歯周病と噛み合わせの管理を続けることが予想以上の効果を生んでくれます。

JA長野厚生連鹿教湯三才山リハビリテーションセンター
 鹿教湯病院 歯科医長 田村 稔(たむら みのる)

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