厚生連通信

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〈今月の健康〉脳ドック [健康バンザイ]

2017年05月01日

人間ドックは、病気の早期発見・早期治療に役立てる目的から始められた検査体制ですが、残念ながら全ての病気に対して万能というわけではありません。なかでも日本人の死亡原因の第4位となっている脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)については、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満あるいは脳卒中の家族歴などの危険因子を把握できても、脳の変化までは知ることはできません。脳卒中は、生命を一瞬で奪ったり、言葉の障害や麻痺などの重い後遺症をもたらすことも少なくありません。有名人が脳梗塞で倒れたり、クモ膜下出血で亡くなられたニュースは記憶に新しいところです。これらの病気は「発症してから」の治療ではなく、「発症する前の予防」が重要です。

そこで、脳の病気を未然に発見するために約30年前に生まれたのが日本独自の検診システムである「脳ドック」です。脳ドックで行う検査の主役となるのは、頭部MRIやMRAなどの画像検査で、それに加えて、血液検査や尿検査、心電図、超音波検査、認知機能検査などが行なわれます。検査に伴う苦痛はほとんどありませんので、安心して受けていただくことができます。

脳ドックで発見の対象となる病気は、自覚症状のない脳梗塞をはじめ、脳の動脈瘤、脳動脈の狭窄や閉塞、奇形などの脳血管障害、脳腫瘍、認知症など多岐にわたります。その中でも脳ドックが特に威力を発揮するのは、脳動脈瘤の早期発見です。破裂するとクモ膜下出血を起こすリスクが高い脳動脈瘤ですが、破裂しなければ、ほとんどの人は無症状です。したがって、脳動脈瘤の破裂を未然に防ぐには、脳ドックでの発見がほぼ唯一の手段といえます。

JA長野厚生連小諸厚生総合病院 地域診療科 鵜木 隆(うのき たかし)

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