失語症を含む高次脳機能障害について
みなさんは、「失語症」という言葉はお聞きになったことはありますか?脳の損傷によってコミュニケーションの手段である言語に支障が生じ、「聞く、話す、読む、書く」といったことがうまくできない状態のことをいいます。私たちが普段何気なく使っている「ことば」も脳が担う高次の機能によって成り立っています。脳血管障害や、事故などにより脳に損傷が加わることで、それまでは当たり前に行えていた言語活動が円滑に行われなくなってしまうのです。音は聞こえているのに何を言っているか分からない、伝えたいことがあるのに言葉が出てこない、言いたい言葉と全く異なる言葉が出てきてしまう、読んでいるのに内容が理解できない、書きたい文字が出てこない…などそんな症状が出てきます。脳の損傷の場所や広さによって出てくる症状は様々ですが、「まるで言葉を知らない外国に行ったよう」と表現される場合もあります。
体の障害とは異なり、目で見てわからない分、周囲の人の正しい理解が必要になってきます。
脳が担う高次の機能には言語の他にも、注意、記憶、遂行機能などいくつかのものがあります。周囲の刺激に対して注意を向ける、集中して活動に取り組む、言われたことを正しく覚えている、自ら予定を立てて行動に取り組むなどといったこともその代表的な機能といえます。いずれも脳の損傷によって影響を受ける場合があり、脳血管障害の後遺症としてはっきり診断されていなくても症状を呈している患者さんは少なくはないと思われます。「病気になってから何となく集中できない」「自ら考えて行動することが難しくなった」「言われたことを適切に遂行できない」などと言った症状がみられた場合には高次脳機能障害の可能性を考慮しても良い場合があるかもしれません。そのような場合には正しい評価、診断、リハビリなどの対応が必要となります。
JA長野厚生連 安曇総合病院
リハビリテーション科 山田(やまだ) 望(のぞみ)




