メタボ解消・運動療法のコツ
糖や脂質代謝改善の効果は、活動した筋肉のみ現れます。このため、できるだけたくさんの筋肉を使用する運動が望まれます。
大筋群をリズミカルに収縮させ、一定時間継続する有酸素運動が最も適しています。有酸素運動の具体的な種目として、ウォーキング、自転車運動、水泳などがあげられます。
股関節や骨盤周囲の筋肉を十分に活動させることがポイントです。運動の強度としては、うっすら汗が出る程度、人と話ができる程度とします。逆に高すぎる運動強度の場合、抗インスリンホルモンの分泌を高めてしまい血糖や血圧を上昇させるため、高血圧や血管系の合併症がある場合には危険性が大きくなり要注意です。
筋力トレーニングも低い負荷で高頻度に実施することで、有酸素運動と同様の効果が期待できます。また、有酸素運動を行う前後には、準備運動・整理運動としてストレッチングの実施をおすすめします。反動をつけずにゆっくりと呼吸を止めず、筋肉が伸ばされているという意識をしながら行いましょう。筋肉の柔軟性を高め、けがの予防や疲労の軽減に役立ちます。
生活活動時の工夫としては、姿勢筋(正しい姿勢を維持するために活動している脊柱起立筋や腸腰筋などの筋群の総称)を強化すると肩甲骨、背骨、骨盤が安定し、きれいな姿勢のみならず、肩こり、腰痛、膝痛などの予防に効果的です。さらにこれらの筋肉は、姿勢を維持するために常に働いているため、筋肉内への糖の取り込み能力が高く、血糖コントロールにも重要な役割を果たします。
運動を継続するためには、楽しみながら行うことも重要です。体力や年齢に合わせてできる軽スポーツにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
週1回の頻度でも仲間との楽しい語らいや、ゆとりの機会を作ることが大切です。糖尿病症や合併症の進展予防には運動療法が必須です。生活・運動習慣を見直し、それぞれに応じた適切な運動の継続と心身の休息が肝要です。
北信総合病院 リハビリテーション科主任 長崎 寿夫




