口腔ケアの新たな効果が近年、注目されています。
8020運動(80歳になっても自分の歯を20本以上保とう運動)は皆さまにも周知されていると思いますが、最近の研究ではより質の高い口腔ケアにより、誤嚥性肺炎や感染症を予防したり、摂食・嚥下機能(口から食べる機能)を維持・向上させたりする効果が期待されているのです。より質の高い口腔ケアを実践することで、お口も身体もコンディション良く過ごせるというわけです。
☆口腔ケアの質を上げるポイント☆
①その人のお口に適した道具を使おう
歯牙が保たれている口腔と無歯顎者(歯が全部ない場合)とでは、おのずと適合する道具は違ってきます。歯が1本も残っていない状態で、普通型歯ブラシ(毛の硬さ普通)を使うのでは歯茎を傷つけてしまう可能性があり適切とはいえません。
歯ブラシのヘッドの大きさや、毛の硬さなどに注目してみてください。その人のお口に適しており、楽に汚れが落とせ、なおかつ歯茎を痛めない物を選択しましょう。
最近は無歯顎者用(または歯牙の部分欠損者用)の歯ブラシも充実しており、軟らかい毛質であったり、球状のボア毛であったり、舌の汚れにも応用できたり、毛先が360度だったりと用具の種類は増え続けています。
寝たきりの要介護者用では、歯ブラシに吸引器のノズルがついている便利な用具も出ています。吸引ブラシは自分でうがいができない人には画期的な効果をもたらします。
これらを用途に応じて使うことが大切です。
②洗口液や口腔ジェル剤(保湿剤)を有効利用しよう
歯ブラシなどの用具と同様に洗口液や保湿剤の種類も多くなり、便利な用具が次々販売されています。お口が唾液によって潤っていれば、基本的には唾液成分がお口の清潔を保ち自動洗浄してくれる効果があるので、通常のブラッシングと水うがいなどで十分清潔を保てます。
しかし、ドライマウスや口唇の閉じが悪いなどのために保湿効果が奪われ、唾液による洗浄効果も低下している場合は注意が必要です。寝たきりの要介護者で口腔内の渇きが強い人は、汚れも付着しやすく感染の危険も高くなってしまいます。
口腔汚れが目立つ人には洗口液を用いたブラッシングをし、口腔ジェル剤を塗布するなどして潤いを保つことが必要です。
毎日の口腔ケアの充実が、誤嚥性肺炎の予防や感染症予防への効果をもたらします。さらには口から食べる機能を維持させる基礎となるのです。「質の高いケアの継続は力なり」と日々の口腔ケアを見直してみましょう。
鹿教湯三才山リハビリテーションセンター三才山病院
言語療法科主任 半田 聡子




